>>57
ヴィヴァルディは言われる通りオペラでVI♭7→Vの進行を用いていて、
1730年代中期のオリンピアーデ(RV.725)のシンフォニア等はよい例

ところが20年代のヴァイオリン協奏曲にもその進行を用いている物がある。
ハ長調のヴァイオリン協奏曲RV.189は1728年に神聖ローマ皇帝カール6世に
献上した12曲セットの2番に相当するが、ドレスデンの筆写譜の成立時期から
後期形式の特徴を持っているにもかかわらず1720年代中期以前の物と考えられる。
この曲のリトルネッロは急緩急のシンフォニアを内包しているような特殊な
形をしているが、ハ短調の部分にまさにVI♭7→Vの進行が使われている

0:35から始まるハ短調部分と1:00前後の和声進行に注目
ttp://www.youtube.com/watch?v=EujnsPSYF9E

ドレスデン筆写譜(1720-1723成立)、16小節目にVI♭7→V進行
ttp://digital.slub-dresden.de/sammlungen/werkansicht/311387225/

RV.189に酷似したリトルネッロを持つRV.191にもこの進行があったから、
探せばまだまだ出てくると思われ

余談としてC.P.E.バッハはクラヴィーア奏法の6の和音と65の和音の項目で
このような増六度の扱いについて書いてるね
「予備しても予備しなくてもどっちでもいいがとにかく上行しろ」と

異名同音で長7度を伴う7の和音(742の和音との違いに注意)として扱うなら
次に下がらなければならないだろうが、ここでは6の和音の一種として扱ってるから、
下がって解決する必要はないんだね