エッティンガーの指揮について言えば、
公演自体について不満があるのもわかるし、評価するのもわかる。
いまのところ両方だね。

日本人にとってワーグナーの演奏は、
録音ではフルヴェン、クナ、カイルベルトなどがあり、
実演ではサバリッシュ、ホルストシュタインなどがありで、
19世紀からつづくドイツの伝統的な「型」に永らく接してきたという歴史がある。

この点で、バレンボイムなどの型にとらわれない現代派は、日本人にはむしろなじみがうすいんじゃないかな。
それだけに、この前のベルリン国立の指輪は衝撃的だった。

この点でエッティンガーの立ち位置は微妙だと思うよ。
ユダヤ人であるゆえにドイツ式の「型」を追うことはできないし、
さりとて今のところはバレンボイムほどビックではない。

その制約の中でどのていどやってくれるか、が今回の一連の公演のテーマだったんじゃないかな。
換言すれば、エッティンガー徐々にビックになっていく過程を楽しむのがこのシリーズのテーマなのだよ。

むろん演奏自体については完全に満足できるものではないにしろ、
安易にブー飛ばしてるやつは、やっぱ空気を読めないヴァカなんじゃね。