人間社会においては身体的な暴力に訴えることは社会的な成功や地位を
上げたり、女性を獲得したりすることに必ずしも効果的ではありません。
単純な暴力に対し、人間の文化に見られる、自然界で生き延びていくのに
必要なレベルからはるかにかけ離れた極端に高度な芸術や学術活動も、
もともとは男性が女性に対して性的な魅力をアピールするディスプレイから
発展したものという学説は、すでにほぼ定説として承認されつつあると言って
よいと思います。

音楽などが一番分かりやすいと思いますが、たとえば恋愛感情・求愛意図を
込めた男性の美声や弦楽器の音(特に低音域)は、女性に対して、前頭葉を
介する情報処理をバイパスして直接性的な興奮を惹き起こす効果があるという
研究もあります(マサチューセッツ工科大学(MIT)研究チーム)。

だとすると、芸術や学問における突出した業績についても、行為者の性別や
年齢の影響を示すグラフを描いたら、殺人者の性別、年齢別グラフと似たものが
描けるのではないでしょうか。

結果は、まさにこの仮説をはっきり裏付けるものでした。歴史に残る
ジャズアルバム、現代絵画や著書といったそれぞれの分野の業績を、業績を
残した人の年齢と性別に従ってプロットしてみました。そうしますと、分野ごとに
ピークの年齢は少しずつ異なってくるのですが、男性の業績は比較的若い
年代をピークにしてその後急激に落ち込むパターンが見られること、それに
対して女性の業績は概して年齢による大きな変化は見られない、という
殺人者の分布と全く同じパターンが観察されました。