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【世界文化賞】アルフレート・ブレンデル氏(音楽部門)ピアノにとどまらぬ知性
2009.9.24 18:32

常人離れした指先の技巧から繰り出す繊細な音色で世界中の聴衆をとりこにする“知性派ピアニスト”。
半世紀にわたり“ピアノの名手”の座に君臨する一方、多彩な執筆活動でも才能を発揮。
現代詩人としても知られる偉大な巨匠だ。

第一次大戦後の北モラヴィア地方(現在のチェコ)でホテルを経営する裕福な家庭に生まれ、6歳でピアノを習い始めた。
その後移住したオーストリアの音楽院で学んだ後は、アカデミックな音楽教育を一切受けず独学でレッスンに励んだ逸話は有名だ。

「自分は決して神童ではなかった」と振り返る無名の青年に転機が訪れたのは18歳の時。
ブゾーニ国際コンクールで入賞し、ウィーンで本格デビュー。
尊敬してやまないベートーベンのピアノ曲全曲を1960年代に録音して一躍脚光を浴び、国際的な名声を築いた。

ライフワークとして繰り返し録音に取り組むベートーベンのほか、ハイドンやシューベルト、モーツァルト、シューマンら
ドイツ・オーストリア系音楽の権威として知られる。
なかでもベルリン・フィルの首席指揮者、サイモン・ラトルとの相性は抜群で、これまでに数々の名演奏、名録音を残した。
「演奏家として最も幸福な瞬間は偉大なオーケストラと共演し、
その演奏で一つになったと感じるとき。これこそ音楽家冥利(みょうり)に尽きます」

その活躍はピアノの領域にとどまらず、音楽エッセーや詩集など数多くの出版物への評価も高い。
71年に初来日。深い教養をもち、常に真(しん)摯(し)な姿勢で自らの芸術を磨き上げてきた巨匠は、
来日のたびに日本の聴衆を魅了してきた。

昨年12月、多くのファンに惜しまれながら60年に及ぶキャリアに終止符を打った。
引退後も大学や音楽学校での後進の育成、自作の詩の朗読会など旺盛な意欲は衰えることを知らない。

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2009.9.24 18:08