メディチ・アーツから発売された2008年の『ヨーロッパ・コンサート』のDVDを視聴した。
曲目は、ストラヴィンスキー『3楽章の交響曲』、ブルッフ『ヴァイオリン協奏曲第1番』、そしてベートーヴェン『交響曲第7番』というものだが、
結論から言って、このDVDは買いだと思う。

ストラヴィンスキーは既に録音があるが(但し、俺は未聴)、BPOとしても珍しいレパートリーなのだろう、
サー・サイモンが比較的細かく指示を出しながら丁寧に指揮棒を振っている。
元々協奏曲のような楽曲ではあるが、ピアノ奏者の名演も相俟って、見事な演奏になっている。

ブルッフの協奏曲のソリストは、かつての神童ワディム・レーピン。
キレキレの演奏はもちろんなのだが、第2楽章での叙情性を湛えた水が滴るような演奏、そして第3楽章のアレグロ・エネルジコは、
文字通りオケとソロが限りなくエネルギッシュに燃え上がっている。

そして、ベートーヴェンの『第7』。
アプローチとしては、WPhとの以前の録音、即ちピリオド寄りのそれというよりは、先日発売されたブラームスの全集の方に近い。
弦楽を厚くして、よりロマン派的な解釈に近いものと考える。
ただ、当然のことながら、ラトルの刻むリズムは極めて明確且つシャープであり、間然とするところなど一切無い。
オケもそのようなラトルの棒に見事についてきて、楽団員が楽しみながら演奏している様が映像からも分かる。

と云う訳で、未だ買っていない方、是非とも聴いてみてください。