まあ、映画にしてもアホには理解できないやりとりが続く場面が
重要場面だったりするだろうから、「未完成交響楽」みたいな
アホでも理解できる映画は作りにくいかもな。

たとえば、ゲーテに会いにいって、老人の方はペド心をくすぐられるし、
若きフェリクス側は偉大な人物をリアルでみて感動する。
でも、ゲーテの読書体験がないアホには、フェリクスの感動がわからない。
ましてや、ベートーヴェンについての二人の解釈の違いについての
対話がはじまっちゃった日には、何いってんの?この人たち、状態だろう。

あるいは、スコットランドのホリールードハウス宮殿にいって、
感極まってフェリクスがはらはらと泣く場面があったとする。
何ないてんの?この主人公は。としか思ってもらえまい。

要するに、彼の内面を映像化しなければいけないのだが、
彼の内面の葛藤だの感激だの、というのは、アホでもわかる
「女にフラれた(シューベルト)」「ピアノが上手に弾けない(シューマン)」
といったものじゃないから、結局映像化できないのではないかと思う。