音大生がポリーニのをエチュードを聴きました。
「さすが上手いな」 と、音大生は言いました。
「僕もポリーニのようなテクニックを得たい、でも、おれには難しすぎる。一生懸命がんばって、
その領域に届くかどうかやってみよう」
音大生は、何度も何度も練習しました。
1年、また1年と、.どんとん月日が経ちましたが、ポリーニの域に届くことはできませんでした。

 そこで、音大生は言いました 「今のポリーニはヘタクソだ。もはやポリーニは駄目だ。
おれはポリーニのピアノは好きじゃない。ポリーニは年を取ったしもう駄目なんだ。おれは尊敬しないぞ」
それで、音大生はポリーニの音楽を全否定して頭から消し去りました。
音大生は、ポリーニが全盛期のテクニックからは衰えてきたとはいえ円熟した味を出してきたことを知っていたのです。
音大生が、ポリーニはもう駄目だと言ったのは、ポリーニの域に届くことができなかったからでした。