>>544,552,556
煉瓦を一つひとつ積み重ねて壮大な建築物を建てるとき、煉瓦が不揃いでは、
まともな建物はできない。しかし、日本人がこだわるようなミリ未満単位の
正確さが一番大事かと言えば、それよりも全体としてどういう建物なのかという
グランドデザインの方が大事に決まっている。

近づいて見ると、煉瓦が少し欠けていたりしても大した問題ではない。
煉瓦の大きさが少しだけ違って全体が合わなくなったら、どこかで、
エイヤーと調整して辻褄を合せてしまうのが西洋流。

行書という話が出てたけど、書道でも、一つひとつの字に乱れがあったりして
少しバランスが悪くても、全体としてのバランスが取れているのが名筆。

ポリーニはどんな建物を建てようとしているのだろうかと考えてみた。
ポリーニが細部に至るまでの「完璧さ」を多少犠牲にしても実現しよう
としているのは、「活き活きとしたバッハ」だと思う。

メトロノーム的な正確さが一部犠牲になろうが、同じモチーフが常に厳密に
同じように弾かれなくても、そんなことよりも、バッハの音楽が本当に
活き活きと再現されていると思う。

グルダの演奏とかも面白いと思っていたけど、ポリーニのを聴いてから
グルダのを聴くと、なんだか、ちまちました所で遊んでいるような感じが
してしまう。

グールドまでそう聴こえてしまうのではないかと怖いので、グールドは
まだ聴いてません。