バックハウスのベートーヴェンはバックハウスの音楽ではない。
ベートーヴェンの一つの答えであって、一人の人間の生き様とは何ら関係しない。

若いときどんな音楽だったかは、後の傑作や名演に影響しない。
初期に駄作が結構あるが、これらは発表してもしなくても傑作の解釈に影響しない。
ベートーヴェンが田舎者のドイツ人であろうが、洗練されたウィーン人であろうが、解釈に影響しない。
32曲ソナタを人生の流れとみる見方は誤っている。一曲は独立した楽曲、音楽であって、他の介入を許してはならない。
音楽が変わってしまう。

反対に、漱石が仮に外国人だったら、漱石全集の解釈は振り出しに戻る。
あれは生粋の日本人が書いたから全集として意味がある。
当然、こころだけ読んでも1%も理解してない。全部を流れで解釈する必要がある。