>>584
ゼルキンの名前が上がったので、1973年ロンドン・ライヴを取り出した。
珍しいことにミスタッチを連発しているんだけど、聴衆大喝采の名演。
たしかにこれみよがしのパフォーマンスはないのに、強い感動を引き起こす力がある。

ところで、

この"第8番ソナタ"の演奏については、グールド盤に多くの示唆を受けた。
非常に個性的な演奏ではあるのだけど、
この記念碑的な名曲が生み出された前後の楽曲と並べて聴いたとき、
この曲が前期的な性格にあふれた楽曲だという、
もしかしたら皆さんご周知の事実を改めて確認させられた。

中期に比べて、何気ないパッセージに
ベートーヴェンの濃やかな感性が表象されている。
この演奏に出会ってはじめて、「熱情」という愛称に訣別できるようになったのです。