バックハウスのベートーヴェンを聞く時の心の状態は、通常自分が好きな音楽家と接する場合とは違うと思う。

音楽家の場合、どうしてもその人の人間性とからめることで、
ある種の一体感を得、思想的傾倒を含め、自分の頭の中である種の妄想・理想を描きながらファンになっていのが普通。
個性を聞いている部分が多い。

バックハウスの場合、そうした要素を排除してCDを聞いてるはず。
人間性と離れた部分で音楽だけに接したいと思って聞いてると思う。
多分街を歩いてても声をかけようとは思わないし、サインをもらおうとするような心の状態ではないはず。
上手い料理を食べても、別にコックと会いたくないのと同じように。