真の音楽家は音楽に命と人生をささげる。
他人が喜ぶように弾いたり、売れるように弾くことはありえない。
バックハウスの音楽が聞いてそれと分かるのは、
一つの音楽性に貫かれ、妥協してないから。

バックハウスのスタイルは古くない。
ベートーヴェンの音楽が常に新しいように、この演奏は聞かれ続ける。
全力ではあるが、自分を大きく見せたりはしない。
音楽は外面にとらわれやすいことを知っており、
禁欲的に注意深くこの外面性を排除している。
取り繕わないため、時には雑で下手くそに聞えてしまうかもしれない。
でも本当に音楽を求める人は、そういう些細な外面に囚われずに聞けることも知っており、
音楽の力を信じている。