インタビューアは確かに女性だけど、別に感情的になっているようには見えない。
欧米でよくある、相手の発言に切り込んだり、矛盾をついたりして、相手を本気に
させるやり方。日本でよくあるような穏やかなインタビューでは引き出せないような
本音の発言を引き出すというやり方を取っているように見える。

因みにインタビュー最後の方で、ブラームスが好きかと聞かれて、ブラームスは
好きな五人の作曲家の一人に入るとキーシンが答えると、すかさず、あとの4人は
と聞く。キーシンが、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパンと答えると、
圧倒的にドイツですねえと突っ込む。イタリアはちょっと違う方向の音楽で、
イタリアオペラは特段好きではないが、イタリアで育ったら、もっと
好きになってたかもしれないとキーシンが口走る。そこで、待ってましたと
ばかり、でも、ロシアで育ったのに、ロシアの作曲家は一人も入ってませんね
と突っ込む。キーシンは、そこで、十人選ぶのだったら、ロシアから一人入ると
思いますと答える。

最初の方では、弦楽器奏者の方が楽器と弾き手が親密ではないかというような
言い方をして、ピアノという楽器と弾き手の関係についての考え方を
引き出してもいる。

こういうやり取りは、なかなかスリリングですね。