音楽にはそれ自身が求める、落ち着くべきテンポの幅、エネルギーの拡散範囲があると思っている人。
その許容範囲を逸脱した設定や解釈での演奏には、ある種の不自然さと破滅的な崩壊が生じると思う。
今夜の音楽はまさに崩壊寸前、いや実質的に崩壊の姿をさらけだしていたと感じた。

そこまでオケを無理やり引っ張って演奏させる力量には妙に感心するものがあったけれども、
冒険が過ぎたか、技量が伴わなかったか。やはり音楽も人もスケールが小さいゆえの限界だったのか。

オケが自発的に音楽を楽しんでる様子が伺えなかったように見えたのは気のせいか。
演奏していたオケメンバーがこの演奏解釈を実際どう思ってるか知りたいという興味だけが残った。
録音しているのならば、これを編集なしで広く世に問うてみるのも面白いかもしれない、とも思った。

大植信者とおぼしき初老のおばさん達の、立ち上がっての大拍手と興奮の姿が印象的だった。怖い。
悪夢の夜だった。ワルプルギスの夜の夢であってほしい。 いろんな意味で面白い?演奏会だった。