>>310時代遅れの新即物主義とは? ノイエ・ザッハリヒカイトは、反ロマン主義というより、反主観主義、反表現主義を主要な側面とし、
作品に忠実なリアリズムを追及した運動では。音楽分野ではヒンデミットやベルク、カザルスやエドウィンフィッシャー、クレンペラー
などが主力なり、独墺では主な担い手がユダヤ系ということもあってナチズムの台頭の中で迫害を受け消滅していったもので、歴史的総括
も不十分な思想潮流では。時代遅れという形容はそぐわない気がする。ベームはたしかに先輩クレンペラーとともにこの潮流に近いと思う。
ピアニストではバックハウス。指揮者では同年代のロスバウト、ドレスデン時代の後輩のケーゲルなどは似ているような気がする。一般的には
テンポの速い遅いは別として、作品に忠実で、虚飾を排し、余分な贅肉を剥ぎ取った筋肉質な演奏の傾向がある。悪く言えばぶっきらぼうで
突き放したような時に冷たい印象を与える。このぶっきらぼうという単語がベームの演奏の特徴としばしば引用されるがけっしてぶっきらぼうではない。
このことは別の機会に書こうと思う。