正確には「どの版でも」ってのは言いすぎで、1953年に作られたブルメイステル版とか
1987年のマッツ・エク版みたいな、比較的新しい一部の版には採用してるのもある。
ちなみにチャイコフスキー・パ・ド・ドゥが作られたのは1960年ね。

いま多く上演されている白鳥の湖は1895年に作られたプティパ=イワノフ版が
基になってるんだけど、これは大幅に曲順を入れ換えたりカットしたり、
ドリゴによって楽譜そのものが書き換えられたりしてるのよ。
で、この版で採用されなかったので、それを下敷きにしている多くの版でも
採用されなかったんじゃないかな。

ブルメイステルなんかはかなり原スコアの曲順に近く戻したりしていて、
プティパ=イワノフ版だと三幕で「黒鳥のパ・ド・ドゥ」に使われる曲が一幕に出てきてたりする。
で、三幕の黒鳥に使う曲がなくなっちゃうから、そこにチャイコフスキー・パ・ド・ドゥの曲を
持ってきたんだわね。
マッツ・エクなんてお話そのものを大胆に読み替えたりしているし、曲の使い方も
普通とはかなり違う。まあ、イロモノだわね。

バレエの方で伝統的な白鳥の湖と言えば、プティパ=イワノフ版と、その派生版。
ブルメイステル版とかマッツ・エク版は異端。
有名どころで一番新しいのは1995年のマシュー・ボーン版だと思うけど、これも
楽曲の使い方は伝統的。つまりプティパ=イワノフ版に基づいている。