ベートーベンの音楽には、苦悩から歓喜へというストーリーがあるが、
モーツァルトにはそれはない。

言いようの無い孤独や不安や焦燥は、彼の内奥のあまりに奥深くから
現れてくるため、彼はそれをありのままに受け入れ、一切の解決を
放棄しているように見える。

このような地点から歌われる天上の歌とは一体何か? われわれの
一切の解釈を拒絶する何物かであることは確かなようである。