>>22

>それよりも、この録音をほとんどの評論家が「人類の至宝」みたいに
>持ち上げることがよく理解出来ないんだが。
>「戦後再開されたバイロイト」
>「戦犯疑惑で演奏禁止になっていたフルヴェン」
>というサブストーリーゆえにメロドラマみたいに神格化されたんじゃないの?

まあメロドラマといってしまうとみもふたもないけど,やっぱ第二次大戦って,
その渦中にいた人たちにはメロドラマと片付けることのできないものがあると思うのな。
後,よく言われるけど,第二次大戦が「物量VS.精神」という図式で,
精神よりも物量が勝るという,芸術家にとってはショックが大きかったという

能書きはさておき,たとえば,ピカソの「ゲルニカ」。これをピカソのなかで,
最大の名作といえるかどうかは分からないけど,20世紀芸術において,重要な
作品であることは疑いないと思う。内容そのものよりもコンテクストが重視さ
れている点では,バイロイト第九も同じ。

バイロイト再開は,人間精神の不屈の証,と位置づける人がいても不思議じゃない。
そういう状況のなかで,生まれたんだな。

とすると,そのコンテクストの中にいなかった人たち,すなわち戦後生まれにとっては,
バイロイト? って印象を持つのはしょうがないと思う。ていうか,無理。

逆にいえば,戦中派が「バイロイト最高」と思うのもしょうがない。
内容はともかく,20世紀の歴史的演奏,といわざるを得ないし,
そして,コンテクストをもたない人にも「ある程度」訴えかける内容
をもっていることは疑いないから。