現代ピアノで自分の作品が演奏されているのを作曲家が聴いたと想像してみる。

ショパン、リスト、ドビュッシーあたりは、まず文句ないところだろうな。
ベートーヴェンも概ね満足だろう。音が綺麗に響き過ぎると文句を言うかも
しれないが。モーツァルトも意外に大喜びするんじゃないかな。そして、
現代ピアノに合った作品の作曲にすぐ取り掛かる。

さて、バッハは多分こう言うんじゃないかな?
「現代ピアノで弾いても別に構いませんよ。だって、ヴァイオリンで弾いても
構わないのだから、どうぞご自由に。」と。

そこにポリーニの悩みもある。954で引用されてるインタビューを読むと、
ポリーニは現代ピアノでバッハを弾くことについて、他の作曲家には抱かない
ある種のためらいを感じているのが分かる。

ためらいがあるけれど、バッハが大好きだから弾かずにいられない。
でも、いまだに、CDリリースにゴーサインを出せないでいる。

もし、ポリーニがショパンやドビュッシーよりもバッハが好きだとすると・・・
これだけのハイレベルでも、演奏家と作曲家の間は相思相愛というわけに
いかないということだね。