クライバーは、従来、彼の本質的な美質の上に、

「当時他に例のなかった切れ味」
「ほとんど振らないゆえの異常なカリスマ性」

とでも言った余計なものが付着して騒がれてたと思う。

最近聴き始めた人にとってはこんなものは関係がないから、往年のファンの心酔が過大評価に感じられるのも無理もないんじゃないかな。切れ味「だけ」で言ったら、ヤルヴィやハーディングのある種の演奏よりおとなしいし。

しかし、クライバーの音楽はもちろん切れ味だけじゃないからね。ちょうど、トスカニーニの音楽が、昔言われた「客観性」云々の価値を失った後も支持され続けたように、クライバー・ファンも消えることはないと思う。