ドヴォルザークがワーグナーに心酔していた時代があるのは事実だが、
結局、調性を危うくする和声も半音階手法もドヴォルザークの語法として結実することはなかった。
もちろんワーグナーのパクリみたいな響きが聞かれる作品のあることは承知しているが。

残ったのは主題・パッセージをワーグナーのライトモチーフ的に
次々に繋ぎ合わせる作曲法くらいかな。

ワーグナーの「影響を受けた」ブルックナーやドビュッシーやマーラーも
彼らのイディオムのごく一部にとどまっている。

影響というのは所詮その程度のものでしかないので、
大仰に強調するべきようなものではないと考える。

わしはドヴォルザークの初期の弦楽四重奏は過渡的作品としか見なしていないし、
正直救いようのない駄作も混じっていると思ってるから、ワーグナーの影響は
特に弦楽四重奏においては否定的なものであったと考えるのだが。