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「ラヴェル自身による自作の演奏」
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 ラヴェル自身による自作の演奏のピアノロールへの録音集です。
ラヴェル自身自分にピアノのヴィルトゥオーゾ的な技量がないことを自覚しており、
彼の残した録音ではそうした技量的に困難な曲は外されているのですが(例えばソナティネなどでは第1、2楽章しか録音されていません)、
それでも彼の精巧に繊細にできた曲を再現するときの細やかな演奏は見事で、
特に鏡の曲集からの鐘の谷での楽想の変化に伴う音色の変転は素晴らしく、
いずれの演奏からも彼が意図した音楽表現、解釈が明瞭に伝わってきます。

 Dal Segnoレーベルの復刻は相変わらずリズムのずれがひどく、
ラヴェルの演奏では特にそうなのですが(ラヴェルの演奏と表記されているトッカータと夜のガスパールからの絞首台は実際はロベール・カサドシュの演奏です)、
このアルバムではエリー・ロバート・シュミッツの水の戯れほか、ワルター・ダムロシュ、ポリー・ダムロシュ父娘の連弾によるマ・メール・ロワからの二曲の演奏
(ワルターはガーシュウィンのピアノ協奏曲、パリのアメリカ人などを初演した指揮者であり、
指揮者である彼らしく、娘の演奏とともに、この曲での旋律、伴奏ののびやかな歌わせ方は見事です)、
キャスリーン・ベーコンによる夜のガスパールからオンディーヌの演奏など、
余白として入っているラヴェル以外のピアニスト達の演奏が実に魅力的で、
これだけのために上のPierianのレーベルによる復刻とは別にこのアルバムを買う価値もあります。
このアルバムではラヴェル自身の演奏の復刻はまずいのですが、
これら、ラヴェル以外のピアニストによるピアノロールの演奏の復刻は見事になされており、聴くのに全く問題はありません。