「フォーレ自身による彼のパヴァーヌの演奏」
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 このCDはR・シュトラウスやファリャによるピアノロールの演奏の記録も入っているのですが、
ここでの聴きものはただ一曲入っているフォーレの演奏による彼のパヴァーヌです。
ピアノロールによる演奏再現は特有のリズムのズレがあり、
このDal Segnoのレーベルによる復刻は後のPierianやTacetといったレーベルの復刻と違い、
そういったリズムの修正をあまり行っておらず、鍵盤それぞれの音の同期のずれがはなはだしく、
観賞用としてはかなり辛いものがあるのですが、
それでもここから聴き取れるフォーレ自身による彼のパヴァーヌの演奏からはまぎれもない感興を受けます。
即興オルガニストとしても鳴らし、複雑な和声、転調を瞬時に次々とやってのけた彼らしく、
この演奏でも、この曲の中盤、後半と次々和声、テクスチュアが濃密になっていくにつれて彼の曲の再現のための和声・伴奏の分析・把握の頭の回転、
演奏の指使いの饒舌さはますますなめらか。
この哀愁漂う曲の演奏を頭の切れた作曲演奏家としてまぎれもなく「楽しんでいる」ありさまがはっきりとわかります。
曲の演奏としてはボワネによる彼の曲の演奏と同じく、
今では絶対聴かれないものであり、現在録音に残されたものとしても最高の演奏といって差し支えありません。
フォーレ自身によるピアノロールの演奏は他に舟歌や前奏曲、夜想曲などがあるということですが、
このパヴァーヌと合わせて観賞用にも耐える形で改めて復刻してもらいたいものです。