「シェーンベルクの私の最も愛する曲」
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 私はシェーンベルクの作品の中で作品9の室内交響曲第1番が最も好きです。緊密な構成、楽想の多彩さ、
fruidlyな楽節の旋律、機能和声を極限まで押し進めて四度和音までをも使用しているとはいえ、
まだ調性を維持しているため(後の無調音楽からは失われる)転調による各調のセント値の取り方の変化によるダイナミックな音の変化が味わえ、
ただシェーンベルク自身の最高の作品にとどまらず、ベートーヴェン以来特に突き詰められてきた弁証法的な西洋音楽作法の頂点をも極める傑作です。
ラトルの指揮は特筆もので、複雑で奔放な対位法の中でも失われない一つ一つの楽器の音の澄明感、縦の和音のみずみずしい美しさ、
音楽の論理的な展開の把握、決して滞ることのない音楽の流れと、ここまで音楽を完璧に統率できるのかというありさまです。
問題なく同曲の最高の名演といって差し支えありません。また、よく低く評価されるラトルですが、
彼ほどの才能があればこれだけテクスチュアが濃密な作品でなければ存分に腕を振るえないのではないでしょうか?