いつも行くCD屋さんに行ってCDを見ていた。
ベートーヴェンの「英雄」の第1楽章が店内に流れていた。
「誰の演奏だろう」と思っていたら途中でぶつっと切れ、シューベルトの
ピアノ・ソナタが流れ始めた。一瞬「?」と思ったが、店員が曲を変えたのだろうと思っていると
また途中で切れて別の曲が流れる。ずっとそんな感じ。

疑問を抑えきれなくなって店員に「今流れているのは何のCDですか」ときくと店員はジャケット
を見せて「『のだめ』のCDですが、お聴きの通り、いろんな曲がぶつ切りに入っておりますので
とてもお薦めできるものではないのですが…」と苦虫をかみつぶしたような顔をして言う。

俺も思わずニヤリとしてしまった。店員の気持ちがわかった。個人的には嫌いでも、売り上げの
ためには流さざるを得ないのだろう。俺はお礼を言ってまたCDを見る作業に戻った。その日は
なぜか妙に気分がよかった。