モーツァルトが未完成の断片として残した「ヴァイオリンとクラヴィーアのた
めの協奏曲」ニ長調K.315Fは、もしも完成していたら特異な独奏楽器の組み合
わせによる類稀な傑作になっていただろうと言われている。録音には後世の研
究家が補筆完成させたものもあるが、カントロフのヴァイオリンとオーケスト
ラのための作品全集に含まれている演奏は、必要最小限のオーケストレーショ
ンの補筆のみで最高にお勧めできる。未聴の人は、曲冒頭のリトルネッロを耳
にしただけで衝撃を受けるだろう。