ブルックナーの「本当に言いたいこと」など、誰にもわかりません。
ブルックナーに「本当に言いたいこと」があったのかどうかも証明できません。

仮にあったとして、少しでも近づく可能性がある方法は、スコアに従って「丁寧」に演奏することぐらいです。
常々「聴き取りたい」と思っているものが、たまたまその演奏で聴こえたから「伝わった」というのでしょうか?
同じ演奏で、誰もが同じように感じるわけでありません。

ただ単に「綺麗」な演奏なら、多くの演奏家が既に実現できています。

カラヤンについて言えば、総じて「丁寧」な演奏を心がけているように聴こえます。
「綺麗」と「丁寧」は一見似ているようでいて、その実、まったく非なるものでしょう。

スコアにある旋律や和声のバランスまで目が行き届いている「丁寧」で「計画的」な演奏は、
「超一流」の演奏家の共通したアプローチであり、カラヤンはその意味でも代表的でしょう。

朝比奈もヴァントも、作品へのアプローチはカラヤンと何ら変わらないのではありませんか?
オーケストラをいかに磨き上げるかという点や、オーケストラの技量はまた別の問題ですが。