748の続きだが、サン・ジョルジュは緩徐楽章の調性選択は
冒頭楽章に対して同主調・属調・下属調という当時の常識的な
選択をしている。ポイントは冒頭楽章同様、主調として
C,G,D,A,F,B,Esの長調とc,g,dの短調を選択しているところ。
主和音と属和音の響きが悪い調から書き始めていない。
おそらくバロック時代と異なって曲中の転調の範囲がダイナミックに
なったためであろう。なおa-mollは曲の主調になりえないようだ。

それに緩徐楽章の形式は他楽章に比べて厳密ではなく二部形式・
三部形式が多い。曲中の転調パターンは他の楽章での転調を
目立たせるために比較的穏やかであるといえる。まさに歌う楽章だ。