ベートーヴェンの頭の中で鳴り響いていたソナタを音として人類が聴けるようになるには、
希代の天才ピアニスト、ヴィルヘルム・バックハウスの出現まで待たなければならなかった。

バックハウスの前にも後ろにも、ベートーヴェンが思い描いていた音を実際の音に変換したピアニストは存在しない。
バックハウスの偉業が如何に奇跡的な神業であったかがわかるであろう。

そして現在 私たちは、その素晴らしい全集録音により いつでも、
精神性に満ちたベートーヴェンを聴くことができるのである。

ベートーヴェンをタイムマシンで現代に連れてきたら、感極まって聴き入るに違いあるまい。