続き


 イゾルデのウルマナはミュンヘンオペラの来日ではブランゲーネでした。元メゾだけあってやはり高音は苦しい。時々絶叫調になるところもありました。2幕だけテレビでアバド&ルツェルンの演奏会型式で聴いたときのような違和感はなくなっていたし、最後の
愛の死はばっちりきめてくれましたから、OKとしておきましょう。愛の死ってあまり高音は使わないで済むのですね。マイヤーなどメゾからこの役に入れる理由のひとつかな。

 トリスタンのフォービスの母国語は何かな? ドイツ語に発音がヘン。特に子音がぼやける。それに音域が低すぎてほとんどバリトン。最後まで違和感あり。

 激情するマルケ王というのは珍しい。年老いて温厚な王で、ふつうは淡々と語るように悲しみを歌う2幕後半で「おまえ、なんでや?!」ってノリでトリスタンに迫る。そして、絶望してうずくまる。こんな感情むき出しのマルケ王もおもしろい。

 イゾルデより美人のブランゲーネ。名前からしてロシア系かな。歌もよし。カーテンコールに出てきたときの笑顔がチャーミング。今日のMVPをあげたい。このオペラって、劇中で登場人物が笑うことがないのですね。

 いろいろ不満もありましたが、いいもの観たなって感じで満足です。