吉田秀和は小林秀雄の評論に懐疑的だな。

「昔、小林秀雄が『モオツァルト』を書いたとき、それを読んだ多くの日本人は
強い衝撃を受けた。もちろん、あそこには、音楽学的検証にかかったら、
批判に耐えられないようなところが少なくなかった。それより何より、論述の仕方が、
小林流の飛躍の多い、人によってはコケオドカシと呼びたくなるようなものだと、
非難する声は、当時からあった。…(中略)…
この一言(引用者注:「走る悲しみ」を指す)は、その後多くの日本人の
モーツァルトをきく耳を呪縛するのに成功した。…(中略)…
私も衝撃を受けた。論理より爆弾。そんなことがいつまでも続くはずがない。」
(「レコード藝術」6月号)

俺は吉田の評論一般にも感心しないが、小林秀雄の欺瞞に満ちた独断性
や情緒性、つまりどうにもならない如何わしさを正面から指摘する態度には強く同意する。
まあ、小林信者は同意しないだろうが。 小林は評論界の司馬遼太郎だなw