過疎だと言われているので、書きましょうか。

いい演奏会だった。

フライシャー氏の演奏については、事細かに論ずる類いのものではないだろう。
運命に弄ばれた芸術家としてのタフな人生の夕映えに、彼にとっての晴れの舞台を、
この地で我々が共有したことを幸せに感じたいと思う。お客さんもそれを
感じての暖かい拍手だったし、オケもシンパセティックに伴奏をつけていた。

ただ、そういう注釈を抜きに、アダージョの歌い回しは、息をのむものがあった。

尾高のルトスワフスキは、うまかった。氏がUKで活躍していた1980年代後半は、
ちょうど作曲者自身がロンドンに度々客演していた頃と一致する。自分も
RAHで"Chain 2" を氏と初演者であるアンネ・ゾフィー・ムッターとの競演で聴く
機会に恵まれたが、その頃から尾高氏は、ルトスワフスキに傾倒している。

全体の構成は見通しがよく、イントラーダでは、篠崎氏の情熱的なリードに
弦楽が高揚していた。カプリッチョのアンサンブルは精緻。終楽章のミクソリディアン
モードのコラールからコーダにかけての盛り上がりは見事。

あ、今日は関山さんうまくやってるな、と思ったら、798小節の頭、ぶりっと
飛び出してしまいました。やっぱりやってくれましたね。それから、コラールは、
ああいうツンツンと刺激的な音じゃなくて、もっと包み込むような、溶け合うような
柔らかい音を出してほしいんですがねえ。

コールアングレの彼女、パッサカリア主題へのオブリガート、よくタメが効いて
いましたが、ちょっと遠慮し過ぎでは?

あと、1番ホルンの彼、fig.78のコラール主題の弦楽合奏への対旋律、びびってないで、
もっと朗々と鳴らしましょう。ここが一番の聴かせどころですよ。

尾高氏は、オケに好かれているようですね。