>>865
何度か仲道さんを聞いて出した結論:
ベトソナはCDでは伝えられない。特にスタジオ録音など、客がいない中で弾くことはできない。
同じ人が同じ曲を弾いても2度と同じ表現になることはない。

仲道さんは、ホームラン狙い、というかエベレストに登るような弾き方。
肉体に限界に近い負荷がかかっている状態で音が出てくる。
俺がベトに求める肉体と精神の一体化ができてる人。
音は指から出てくるんじゃなくて、頭から出てくる。音として弾くんじゃなくて、
音像というか、感情を詰め込んだ音の塊をこっちに届ける感じ。

バックハウスは、クールなのに隙のない精緻な表現じゃないし、あまり好きじゃなかったけど、
仲道さんを聞いて言いたいことが分かるようになった所もある。もちろん二人は正反対の音だけど、
音を感情表現として出すことができる人たち。ギレリスもそうだけど、バックハウスは飽きない音楽。
無駄がなく、余計な淀み・個人的な解釈を入れずに弾く。虚飾を排したベトの音楽と同じような絶対性がある。
じわじわ感動が伝わる。

でも基本、本当はすごく熱い音がしてたんだと思う。
バックハウスをCDで理解するのは、かなり困難と言わざるを得ないな。また他の人の実演でヒントをもらうと、
もっと分かるようになると思う。