だからこそ、人類は、作曲者の化身ともいうべき演奏者があらわれるのを切望する。

いまだそのような演奏者があらわれていないケースが大半だろう。

ここに例外がある。

ベートーヴェンのピアノソナタである。

そう、19世紀後半に、ついに、楽聖の化身、ヴィルヘルム・バックハウスが誕生したからだである。