ふらっと外に出たら鯖のオランダ人出てたんで、早速買って今聞き終わった。
なんでこんなのが埋もれてたんだ?とクーベリックのマイスタージンガー以来の衝撃。

マッキンタイアのオランダ人は少しだけパワー不足だが、
役の隅々まで勉強して誠実に歌ってる印象。
情念過多なのが好悪分かれるだろうが、
一幕の"Wie oft in Meeres tiefsten Schulund"をこれだけ痛切に歌える人はちょっと思いつかない。
演技の上手さが特に一幕で光っている。

リゲンツァのゼンタは、声の音色だけでも十分に合格点。
ただこの役に必要なひたむきさは、少々欠けるかも。
それでも、聴いているだけで幸せになれる声はやっぱり本物のワーグナーソプラノのものだと思う。

脇役陣のレベルも高くて、
特にダーラントのルントグレンの役柄のハマリっぷりと、
マリーのヘッセの脇役らしからぬ歌の説得力は異常。

サヴァリッシュは得意演目だけに悪かろうはずがない。
彼のスタジオ録音の中では、最高の部類じゃなかろうか。
序曲と終幕は救済のテーマ無しバージョン。
合唱がバイエルンにしてはものすごく良かった。

カスリークは知らない人だが、オーソドックスかつ随所で良アイデア頻発。
特に二幕のゼンタのバラードと三幕の歌合戦の場は秀逸。
冒頭の水夫の合唱が、本当の嵐の中で聴けるのも意外に新鮮。
総じてスタジオ収録の長所を生かしきってる。

いやぁ久しぶりにたまげたわ。
こんなの30年も隠しとくなんて犯罪だよ本当に。