作曲家の手によって音楽の中に荒々しいものが宿る、というのはぜんぜん否定してないよ。
ただ、それを取り出すにも最低限の知識と訓練が必要だとは思う。

そのまま弾けば、と言うけど、楽譜を読んで、楽器の音の出し方を踏まえて、
ということ自体、ある程度の専門性と教養に基づいたものじゃん。
それをほぼ意識せずに弾いたり、聴いたりできる今の世の中で、
クラシック音楽は随分とすそ野が広がって、
昔々よりずっと開かれた多様なものになってきていると思うのだが。
昔からくらべて堕落したなんてことはない。
堕落だということをいろんな人が批評できるくらいに一般化したんだと思う。

しかし、もともとは上流階級の愛した音楽であって、
今日でもその刻印がまざまざと残っている。
ステージ衣装ひとつ見ても明らかでしょ。
そういう歴史的・社会的な位置づけのことを言ったまで。
だから外交の場に好んで引っ張り出されてしまう、という話でね。
繰り返すけれど、音楽の中身の話じゃない。