キルケゴールによると、キリスト教は「精神的=倫理的なもの」と「感性的=エロス的なもの」
との分裂をヨーロッパにもたらし、言語は「精神的=倫理的なもの」に仕えるものとなり、
言語中の「感性的=エロス的」なものは排除された。感性的なものが否定されている時こそ、
言語は精神の完全な媒介となるからである。しかし、この排除によって、言語外のところで
「直接的=エロス的なもの」が存在し始めることになった、という。

音楽は「キリスト教が自己から排除することによって措定する芸術」であり、言い換えると
「デモーニッシュな」ものである。キルケゴールは、その象徴的な表現をモーツァルトの
オペラに見いだした。

エロティック、デモーニッシュ、メランコリー、モーツァルト好きにはよくわかる感覚。
ハイドンには無いモーツァルトの特質だろう。