若いベートーヴェンの迫力に、モーツァルトは生気を奪われてしまっていた
たのかもしれない。そういう意味では、ベートーヴェンは結果的に
モーツァルトを殺してしまった、とはいえないだろうか。殺し勝ったというか。
モーツァルトは霊感の強い人だったし、心霊的悪影響みたいなものを受けて
しまったとしてもおかしくない。そういうことはあると思う。いずれにしても、
殺すか、殺されるか、の関係しか成立しえない二人だったとして、殺すよりも
殺されることを選んだのは、妻のコンスタンツェが言っているように、
モーツァルトが天使のような心の持ち主だったから。ではないだろうか。