モーツァルトとベートーヴェンが、実際に出逢うというか、
二人は、十四歳しか歳が離れていないのだから、モーツァルトがもうちょっと
長生きしていれば、確実にウィーンで一緒にやっていたわけで、
そしたら、どうなっていたか、という議論は、
30年くらい前にある音楽雑誌でもなされていたけれど、
「そんなことになっていたら、サリエリじゃないけど、モーツァルトは
ベートーヴェンを毒殺したかもしれない」と、真面目に語られていました。
もし弟子になっていたら、そんなことはなかったかもしれませんが。
だからモーツァルトは死ぬべくして死んだのだと。
ベートーヴェンを待たずして。
今でこそ二人ともビッグ・ネームで同等に語られていますが、
当時は、時代はベートーヴェンを選んでいたのではないか、と。
あの後、たとえ生きていたとしても、モーツァルトはベートーヴェンに
太刀打ちできなかったのではないか、と。
弟子になっていたとしたら、自分のところに取り込む努力はするだろうけど、
いずれベートーヴェンは巣立ってゆくわけだから。
もしかすると悲劇が生まれたかもしれない。