モーツァルトの神格化の件はイマイチよく分からんね。
第1次の神格化は死亡直後にあったように自分は思える。
ほんの10年足らずの間に、1780年代の評価とは激変しているので。
勿論それはドイツ語圏、もっと言えばハプスブルク帝国内に限った話
だが。

自分の手元にランドンが執筆したハイドンの本(相当古い)があるんだが、
そこで紹介の銅版画(P.72)では音楽家のヒエラルキーとして、27人の音楽家の
肖像が描かれていて、そこではハイドンとモーツァルトが頂点に描かれている
(両者は対等)。
制作年代は絵の様式から見ても18世紀末の1790年代あたりで、
説明文から見てもハイドンの存命中の作のようだ。
この27人のなかには、ドゥセックやクレメンティらウィーンで活動した
音楽家はいるが、他には、イタリアやフランスの高名な音楽家が最初から
入っていない(画像不鮮明につき名前の読み取りが困難だからでもあるが、
肖像から判断しても、それらしい人物がいない)。

これに限らないが、第1次の神格化はドイツ語圏で死の直後にあったように
思える。ちなみに外国人ながらクレメンティはかなり上位にいる。
この時期すでにドイツ人の民族意識がかなり高まっていたから、
間違ってもイタリア人を最上位にすることは、あり得なかっただろう。