つーか、1980年代後半から90年代にかけて、フランスでベンヤミンがクローズアップされ、
そのあおりで日本でもベンヤミン・ブームが到来したが(ちょうど著作権が切れたことも
あったしな)、ベンヤミンとアドルノの関係を押さえて置いたら、
「アドルノの進歩主義」なんて言葉が出てくるはずもないのだが。

もちろん、アドルノのベンヤミンの読み方がベンヤミンのすべてではないし、
フランスでの流行のおかげで、新しいベンヤミン論の視角が開かれたのも確かだが、
「更に先に進んでいる」「アクチュアルな哲学思想」なんてのも、
フランスの思想家たちが、それまでろくすっぽ読んで来なかったドイツ語圏の
思想家を「あれ、こいつ、すげーんじゃないの」と遅ればせながらに認めた、
っつーレヴェル。ことさら日本人の語学力を云々するほどのことではない。