4番の演奏は今でこそ数多いが、漏れはかなりの数の演奏に不満がある。それは
終楽章の最後の高調部で、多くの演奏ではここを「カーニバル」のリズムで
演奏してしまっている。この部分は漏れに言わせれば「嵩にかかった権力」
の表現が欲しい部分だ。この部分は無制限の権力を掌握したスターリンの前で
行われた1936年の革命記念日軍事パレードがどうしても眼前に浮かび上がってしまう。
どう見たってカーニバルの雰囲気はそぐわない。作曲者は諧謔を込めて三連符を使い
カーニバルのリズムを導入したが、ここはぐっと抑えて祭り騒ぎとは逆の効果を
狙いたいところ。この部分で申し分ないのはコンドラシンの演奏で、「際限の
ない権力」と「底知れぬ恐怖」の表現に成功している。西欧の奏者はカーニバルの
リズムが体に染み込んでいるため、日本人が祭りのリズムに共鳴するがごとく
どうしても「カーニバル」になってしまうようだが、そこを作曲者の意図を
汲んでコンドラシンがぐっと抑えた点こそ凡百の演奏と次元が異なる部分だ。