今回発売された51年のバイロイトの第九のライブなるものは
やはり本番前のゲネプロの可能性が高いのではないか。演奏や録
音ともにベストのEMI版より予行的な感じで煮詰まっていない観が
あるし、そもそもセンター版に見られるライブに伴う咳ばらい等の
ノイズもゲネプロだからこそ楽団員が気楽にノイズを発しているこ
とが考えられるからである。EMI版は確かにいろいろツギハギしたと
ころもあるだろうが、演奏自体は総体的にみて事前に行われたリハー
サルとゲネプロの成果の為かバイエルン放送版よりふくよかに練れて
流麗で滑らかであると思うし、ライブ特有のノイズの少ない事も、逆
にいえば緊張感のある歴史的記念演奏会のなせる特殊な雰囲気なので
はないかと考えられるからである。