新しく楽器を買うということの意義について申し上げます。
楽器というのは音楽ではなく道具です。楽器が勝手に音楽を奏でるものではありません。
しかし、気に入った楽器なら音楽を奏でさせることが出来るのです。
奏者にとって、その楽器のポテンシャルを引き出す技術はもちろん重要ですが、
その楽器を持って「やる気になるのか」も重要なのです。
身分不相応だと感じたとしても(そんなことはあり得ません、後述します)
豊かな時間を過ごせるのなら買うに値するのです。
その楽器の性能を引き出す技量がない=身分不相応、という考え方は、
気持ちは分かりますが見当違いです。
例えば、ヤマハのトランペットYTR-4335GSでいくら練習してどんなに上手くなったとしても
シャガールのロータリートランペットを使いこなせる技術は完全には得られません。
何故なら、楽器から音が出て、その感触や息の抵抗感を感じて初めてコントロールできるのであって、
いくら想定して練習しても意味がないからです。百聞は一見にしかずです。
趣味というものは日々の生活が豊かになって初めて意味を持つものです。
上達は勿論豊かさに寄与しますが、意欲の出る楽器を持つことも上達と同等に意味のあることです。
無理に良い楽器を買えというのではありません。
買えるのなら躊躇しなくてもいいんですよ、ということなのです。
更に、良い楽器を持ったとして、
その楽器の良さを聞く人に分からせることが出来なければ意味がない、
という禁欲的?な思考も少々見当違いです。
例えばシャガールのロータリートランペットを使っている人は、
その楽器を使えば自分のイメージする音、伝えたいことを伝えられることが一番可能だから、使うのです。
この楽器が一番私の出したい音と音楽を奏でやすいと感じているから使っているのです。
「身分不相応」という考えは、ナンセンスです。
実際に違いを感じられ、自分の思い通りの音が出たのなら躊躇の必要はありません。
良いと思うのだから使う、それで良いのではないでしょうか?