IMSLPを確認してみました。このオイレンブルク版は、私の持っている
フィルハーモニア版(ヴェース編)と同ネタと思えるので、初版は見たことが
ないけど、他の曲の初版とこの種の新たに版を組んだいわゆる初版系スコア群
から類推すると、三者は誤植を除いて同一とみなせる。ただ、フィルハーモ
ニア版ではドイツ語にイタリア語の対訳が付いています(あまり役には立た
ないと思うけど)。

ちなみに、「Gemäßigt Hauptzeitmas. etwas breit」はフィルハーモニア版
では「Gemäßigt Hauptzeitmas. (etwas breit)」とかっこ書きされています。

両者を比較して気になるのは、rit.などのテンポを戻すとき、ブルックナーは
『テンポ・プリモ』を、ヒナイスは『ア・テンポ』を用いていることです。
すなわちブルックナーは「Bedeutend langsamer」を基本テンポと考え、
ヒナイスは「Maestoso」を基本テンポと考えていることです。
この根本的な発想の相違は大きいと思います。

それと、ブルックナーは第1主題に関わる部分だけが別のテンポで、その他は
「Bedeutend langsamer」、ヒナイスは第2主題だけが「Bedeutend langsamer」
でその他(第1主題、第3主題、コデッタ、展開部)は「Gemasigtes Hauptzeitmas. 」
が基本であるように感じられます。