1910年、ミュンヘンでベートーヴェンの田園交響曲について論じながら、マーラーは音楽院出身のドイツ人指揮者を激しく批判し、連中にはこの曲が分かっていないと言った。
「第二楽章<小川のほとりの光景>をどう指揮すべきか。八分の十二じゃ、遅すぎるが、八分の十二を四拍でやれば早すぎる。それじゃどうすればいいのか」と彼は尋ねた。
その問いに彼は自分から答を出した。

「自然に共感すればいい」。

この会話の途中で彼は私をさしながらこう言った「この青年はまだ全然修練を積んでいないけれども、すでに名を成した私の同僚の誰よりもずっと音楽的に《田園》を指揮することだろう」。
彼は私の方に向き直り、こう続けた。

「勿論君もはじめは譜面通りに指揮するだろう。しかし楽器を若干手直ししなければならないことが、いずれ分かってくるだろうよ」