スタンダードなレパートリーを歌う歌手があまりいない現在、ネトレプコが
がんばっているという認識があった。
それで、YouTubeを覗いたら、ものすごい数の録画がアップされている。
レパートリーは、めぼしいものは全部歌っている。
しかし、聞いてみて驚いた。
あまりにひどいのが多いのに。
「椿姫」はグラモフォンで会社ぐるみで売り込もうとしているが、
彼女のヴィオレッタは、彼女のほかのレパートリーにくらべると、
明らかに出来がわるい。「花から花へ」が歌えない。
誰でも知っている、出だしの Sempre libera degg'io の、degg'io の部分に
トリルのマークがついているが、それは完全に無視されている。
ベッリーニにやけに執念をもやしているみたいで、それはカラスの影響が
無視できないのだが、しょせん、彼女はいたってよくいる普通のソプラノだ。
ロシアの歌手に多い声が暗く、重く、アジリタは原則としてうたえないのに、
無理して、そういうのを手当たり次第に歌っている。
そして、ことごとく失敗している。唯一、「清教徒」の Son vergine がなんとか
聴ける程度。「夢遊病の女」の最後のアリアは気の毒になるくらいひどい。
さすがにキレたひとが多いらしく、コメント欄は非難ごうごう。
たまにあまり声楽に強くない人が的外れなコメントをしてほめてはいるが。
なんでも歌おうとした歌手にスチューダーがいるが、彼女はそれなりの歌を
聴かせた。そのために酷使され消えてしまったが、
ネトレプコは、あの調子ではすぐだめになるよ。もうだめになりかかっているのだから。