ベートーヴェン ピアノ・ソナタ総合 その9
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0554名無しの笛の踊り
2007/12/24(月) 14:19:07ID:V0TtuqgH革命自体は余り判らなかったんですが,むしろ当日の演奏曲目全体にこそ強い気持ち・主張が込められていた
のかもしれないと思いました。
○リヒテルという大ピアニストの名を知る人は多いだろう。晩年はたびたび来日公演を行ったが、まだソビエト連
邦が強さを保っていた頃、ポーランドでは連帯という労働者の組織が、国の独裁的な政治に対して抗議活動をは
じめていた。世界は毎日長時間に渡ってこのニュースを取り上げ、砂粒一つ見落とさないほどの熱心さで注目し
ていた。しかし、その連帯委員長ワレサ氏が当局によって逮捕、拘束されると、事態は暴動と軍事制圧の危険性
を孕んでいた。
事件はそんな中、誰も注目などするはずない日本の、平和な上野公園内、東京文化会館で起きた。
それは、リヒテル氏のオール、ベートーベン プロのコンサートだった。満員の大ホールで、彼は淡々と、そして
美しい彼だけの音でベートーベンの計算された緻密な音楽を演奏し続けた。割れんばかりの拍手とブラボーの
連呼に、彼はもの静かにアンコールに現れた。
演奏されたアンコールは3曲。ショパンの練習曲集から。そして最後の一曲は『革命』だった。このときの客席
の沈黙と緊張は今も忘れられない。彼は何も語らなかったが、それだけでもう十分だった。私たちは、いい知れ
ぬ世界の重さを肩に感じたし、個人をこえた情熱のくすぶりのようなものに揺さぶられていた。
その後もリヒテル氏は、無事活躍を続けたことに深く安堵した人は多かったろう。そのコンサートの評論・・・ぼく
の曖昧な記憶によれば、朝日新聞に載った細川周平さんのものしか読む機会に恵まれなかったのは残念だった。
ぼく達は、芸術家として、音楽家として、何を行うのか?
音楽を演奏するということは、どんな世界につながって、どんな役割をになっているのか、答えの見つからない
問いかけに光を照らしてくれた2つのコンサートについてご紹介しました。
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