ブラームスのピアノ曲
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0387名無しの笛の踊り
2010/07/14(水) 23:39:37ID:YlsqDl1Tしかし実際、彼のピアノ作品は演奏技術的にも難曲のものが多い。
そして彼自身がそれらを全く演奏できなかった、ということは想像しにくい。
私は未聴だが、ブラームス自身の演奏は残っていて、
それは、録音技師が録音をしようと思ったら
ブラームスがいきなりピアノを弾きだして技師たちが慌てた…という逸話が残っている。
サロンでもピアノ演奏のリクエストに応じる時もあったようだが、
テンポも早めでそっけなく、早く終わりたいといった感じだった…とか。
そのような逸話から感じられるブラームスのイメージは、溢れる才能を持ちながらも気難しく恥ずかしがり屋。
サービス精神のかけらもない。
そしてリストのように積極的に自分の技巧を誇示しようともしない。
リストは楽器の可能性を拡大することに成功した。
彼の作品には、当時としては先進的な音楽語法の試みもみられるが、
音楽史におけるリスト最大の公労はピアノ奏法の可能性の開拓と交響詩の発明だろう。
先にどなたかが指摘されていたかもしれないが、ブラームスは楽器の可能性を引き出すことに専念したというよりも、
先ず、抽象化された厳然とした音楽形式の彫琢に専念した。その事によって、楽器法はそれに準じたものであることが多い。
この場合、楽器は時として音楽そのものに跪くことにより、演奏効果が上がらないようにも思える。
しかし、輝かしい楽器法の代償に、彼はバッハやベートーヴェンに比肩する自律した音楽作品を生み出すことに成功した。
そしてこのことは、将来、シェーンベルクやヴェーベルン等に受け継がれていく。
「新しさ」として受けとめられてきた、表面的効果にも陥った面がやや見られるロマン派音楽の隆盛を極める中、
彼の作品は異彩を放っている。
当時の美学上、孤独であったろう彼の作品は、
孤独であったが故に、今でも時代に流されない「リアル」を保ち続けているように思う。
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています