昔々、あるところに歌の好きな一人の少年が住んでいました。
ある日、母親の聞くラジオから流れてきた、美しいギターの調べを耳にしました。
「かーちゃん、この曲なんていう曲?」
「これは、『アルハンブラの思い出』という曲よ」
「これ、ギターでしょ?何人で弾いてるのかなぁ。」
「一人の人が弾いているらしいわよ」
「一人?ギターって一人で同時にこんなに音が出せるものなの?」
「そうなのよ。タケシもギター習ってみる?」
「うん!習う、習う」
「じゃあ、ちょっと待ってて」
「うん?」

「はい、タケシ。これを使いなさい」
「かーちゃん、このギターは?うちにギターなんかあったの?」
「このギターはね、死んだとーちゃんが大事に大事にしてたギターなの」
「とーちゃん・・・とーちゃんもギター弾いてたの?」
「そうよ、とっても上手だったんだから」
「ボクも一生懸命練習して、とーちゃんみたいになる!」

あれから20年の月日が流れたが、まだまだとーちゃんを超えてはいないんだろうな。